酒を飲んだ上で起こした事件や芸能人やスポーツ選手のスキャンダルは多々あるが、この人の場合はいったい…。
サッカー元日本代表の前園真聖氏は2013年、酒に酔ってタクシー運転手に暴行を加え、逮捕された。のちに処分保留で釈放されたが、出演するテレビ番組を降板。約9カ月の活動自粛となった。この時、前園氏は何を思ったのか、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで明かしたところによれば、
「2013年に(事件が)あった。2006年に引退して、こういうテレビのお仕事をずっとさせてもらっている中で当然、何もなくなる。2014年がブラジルW杯の年だった。仕事がひとつもなくなって、周りに人がいなくなるし、減っていく。その後に仕事がひとつひとつ、入ってくる。それをやっていく、『あ、なるほどな』と思った。それまでは当たり前のように仕事があって、サッカーのことをしゃべっていたけど、当たり前じゃないんだなとその時、初めて気付いた。ようやく40歳で」
事件を機に考え方が変わったそうで、生き方や目標にも影響を与えたと、前園氏は言うのだ。
「いろんな人が周りを支えてくれて今の僕があるんだなと、その時に本当の意味で初めて気付く。これはもう一回、自分をしっかりと律して、みんなに信頼してもらわなきゃいけない。ひとつの仕事をちゃんとやっていかないと、次の仕事なんか来るわけない。その気持ちは今も変わらずある。現役の時はW杯や五輪など先の目標を決めていたんだけど、目の前のことをやっていかないと先がないと気付いたから、今は先の明確な目標はない」
ここで鈴木氏がこんな証言をする。
「日本代表のOB戦で、空港でご一緒した。その時にですね、時間があったのでレストランに入った。僕はビールを頼んで『前園さん、何飲みますか』と聞いたら、烏龍茶。この人は本当に飲んでないのかな』と思った。『ゾノさん、本当は飲んでますよね』って言ったら、本当に飲んでなかった」
これを聞いた前園氏は、
「疑ってたの? まだ1滴も飲んでないですね」
事件から12年が経つが、一度もお酒を口にしていないという。事件はそれほど大きな影響を与えたようである。
(鈴木誠)