スポーツ

楽天「最後の補強」メジャー本塁打王は「地下鉄の乗り方がわからない」愛されキャラ

 楽天イーグルスがオスカー・ゴンザレスに続いて、メジャーリーグで2020年ア・リーグ本塁打王のルーク・ボルトを獲得する。シーズン途中に外国人選手を2人も獲得するのは異例なことだ。だが70人の支配下登録の最後を埋めるボルトは、大人気選手になる可能性を秘めていた。

 本塁打王になったのは、ヤンキースに在籍していた2020年。コロナ禍による短縮シーズンだった。

 左打者が多い楽天だけに「右の大砲タイプ」は、理に適った補強だ。年齢は34歳。ボルトは昨シーズンからメキシカンリーグでプレーしていた。つまり2020年のタイトル獲得後、メジャーリーグには残れなかったことになる。「ピークを過ぎたロートル」と解釈されそうだが、そうではなかった。

 そもそもア・リーグ本塁打王のタイトルだが、短縮シーズンであり、22本しか打っていない。そのため「参考記録にすぎない」として、下に見る向きもある。

「この年は60試合しか行われていません。ボルトは50試合目で20号を放っています。ヤンキースの中で、50試合で20本塁打に到達した歴代選手は、ベーブ・ルースとミッキー・マントルだけ。3人目の快挙と称賛されました」(アメリカ人記者)

 このタイトルの価値は高いのだ。

 翌2021年はIL(負傷者リスト)入りした状態で開幕戦を迎え、2022年3月にパドレスに放出された。

 ドラフトは他の大学生選手よりも1年遅い、4年生での指名。それも22巡目の下位だった。低評価だったのは、在籍していたミズーリ州立大学が強豪校ではなかったことにある。高校まではフットボールとの二刀流で、野球に専念したのは大学に入ってからだったことも影響した。

「プロ入り後、インナーマッスルを断絶する大ケガを負い、2021年以降、古傷が痛むなど苦しみました。メキシカンリーグではオールスターゲームに選ばれるなど好成績を残しており、実はメジャースカウトも再チェックしていたんです」(前出・アメリカ人記者)

 年齢などでメジャー復帰は果たせなかったが、ヤンキース時代は「カントリーボーイ」としてファンに愛されたそうだ。

「地下鉄の乗り方が分からず、球場まで30分で着く距離なのに、1時間以上かかったことも」(前出・アメリカ人記者)

 遠回りをした苦労人であり、都会で迷子になる失敗談にも親近感が持てる。楽天は応援したくなるような「愛されキャラ」を見つけた。

(飯山満/スポーツライター)

カテゴリー: スポーツ   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人・甲斐拓也「自信満々の交流戦データ」がまるで役立たず…1イニング複数失点の「起用問題」
2
阪神・佐藤輝明の「ホームラン確信歩き」よりも問題視されていた「あの行為」
3
2軍でもダメ…巨人・リチャードの打撃はどこが問題か?デーブ大久保の「ワンレッグ・ステップ」分析
4
「アッコにおまかせ!」から芸能ニュースが消えた…和田アキ子の「無自覚な舌禍」を阻止せよ
5
「3Aで戦力外」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「俺のところに来たら化ける」再生プランの本気度